イベントレポート!【週刊BCN主催オンラインセミナー】高度化するDX時代の「イベントテック」~オンラインで実りあるイベントは実現できるのか~
オールインワンイベント運営プラットフォーム「Eventory 日本版」を提供する株式会社インディビジョンは2021年9月10日(金)、週刊BCN主催のオンラインセミナーに協賛しました。
セミナーには、新しいマーケティングツールにご興味がある企業の方々やオンラインイベントの運営に課題を感じているご担当者など、50名を超える皆さまにご参加者いただきました。
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昨今、新型コロナウイルス対策としての外出自粛の流れから、今まで対面が前提だった展示会やセミナーのオンライン化が進むとともに、顧客との接点をもつための手段としてウェビナーが積極的に活用されるようになっています。
今回のオンラインセミナーでは、単にリアルイベントをオンライン化するにとどまらない、新たなマーケティング施策としてのイベント活用の可能性にフォーカスしました。登壇者の皆さまには、対面前提だった展示会やセミナーとの違いや留意点のほか、ウェビナーの効果的な活用・運用方法として注目される「イベントテック」についてお話いただきました。
目次:
- 「単なる『オンライン化』を超えていけ ~IT業界が貢献すべきはニューノーマルへの最適化~」
株式会社BCN 週刊BCN編集長 本多 和幸
- 「リモート標準化時代のビジネスイベントのトランスフォーメーション 〜イベントDX1.0〜」
元株式会社電通デジタル CDO / 株式会社インディヴィジョン シニアアドバイザー 佐伯 愉 氏
- 「イベントDXソリューション 『Eventory』のご紹介」株式会社インディヴィジョン
Head of Eventory Japan 片岡 郁美 氏
「単なる『オンライン化』を超えていけ ~IT業界が貢献すべきはニューノーマルへの最適化~」
株式会社BCN 週刊BCN編集長 本多 和幸
本多様談>
半強制的に進んだ営業活動のデジタル化
週刊BCNは今年の10月に創刊40周年を迎えました。コロナ禍で読者のテレワークが進み、オフィスで紙面を読んでもらうのが難しい状況の中、PDFで閲覧できるデジタル版の提供など新しい取り組みを開始ししています。
現在は多くの企業が業務のリモート化やオンライン化のフェーズを終え、オンラインを前提にした働き方やコミュニケーションを再構築していく流れができ、さらにそれこそが新たな商機に繋がるといった考えも浸透しつつあると感じます。ニューノーマル時代の生き残り策を考え、生産性を高められる業務環境やプロセス、フローの最適化など、データドリブンな組織やビジネスに転換してDXを推進する企業も着実に増えています。
こうした変化は、企業が開催するイベントにおいても例外ではありません。そこで注目される「イベントテック」の定義を改めて整理すると、イベントの主催者や運営者がイベント関連業務に用いるデジタルソリューションサービスの総称であり、機能としては開催前の集客・来場者管理から開催中の受付業務、開催後の動画配信、参加者データ管理までを含む広範囲を指すと考えます。イベントテックは今後、オンラインだけでなく従来のオフラインイベントの価値もアップデートさせ、イベントそのもののDXを後押しするとも期待され、注目度が高まっていると感じています。
コロナ禍で従来の営業活動が難しくなる中、企業は自社の製品やサービスをアピールするための場としてオンラインイベントやセミナーに活路を見出しています。こうした中、イベントテックは単なるイベントのオンライン化を超え、半強制的に進んだ営業活動のデジタル化を支援するテクノロジーであるともいえます。
オンラインイベント(セミナー)は、インターネット環境とWEB会議システムがあれば開催でき、場所にとらわれず多くの顧客に対してアプローチできます。また参加者は、開催場所(物理的距離)に囚われず、興味のあるコンテンツに気軽にアプローチでき、情報収集の効率があがったと感じているでしょう。
しかしそのメリットはすでに飽和状態になってきています。
単なるイベントのオンライン化、つまり従来のリアルなイベントの内容をオンラインで配信するだけでは、期待したような効果が得られないことは、共通認識されている課題です。
多くのオンラインイベントは(発信者からの)一方通行の情報提供に陥りがちで、参加者は一定数集まるものの、その先の人脈形成や質のいいリードに繋がっていかないという課題を抱えています。また参加者も気軽に質問することが難しく、イベントへの没入感が失われてしまいがちで、結果として「ためになった感がないセミナーにたくさん参加している」という印象だけが残る傾向にあります。
私たちは、このオンラインイベントに対する期待(可能性)と現実とのギャップを埋めるための働きかけをしたいと考えています。今回このセミナーを企画したのもこういった理由の一つです。
「リモート標準化時代のビジネスイベントのトランスフォーメーション 〜イベントDX1.0〜」
元株式会社電通デジタル CDO / 株式会社インディヴィジョン シニアアドバイザー 佐伯 愉 氏
第二部では元株式会社電通デジタル CDO の佐伯愉様をゲストスピーカーにお招きし「リモート標準化時代のビジネスイベントのトランスフォーメーション 〜イベントDX1.0〜」というテーマでご講演いただきました。
佐伯様は電通在籍時、マーケティングDXへの取り組みとして「電通デジタル」の立ち上げと組織育成に携わるとともに、中核人材としてのデータサイエンティスト人材の育成と、ビッグデータ関連市場の健全な発展を目的としたデータサイエンティスト協会の立ち上げにも尽力されました。今回の講演では、これからのビジネスイベントに焦点を当て、イベントDX1.0の世界を紐解いていただきました。
「リモート標準化時代のビジネスイベントのトランスフォーメーション 〜イベントDX1.0〜」
佐伯様談>
イベントで重要な「祝祭性」をどう補うのか:「リアルの時代のほうがよかったなぁ」という感覚
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<オフラインイベントと比較して感じたこと>
オンラインイベントの課題として、以前私たちが感じていたようなワクワク感や祝祭性が失われつつある、ということが挙げられます。
オンラインイベントでは不規則な対話や出会いが発生しづらいため、来場者同士や来場者・主催者間のコミュニケーションが思うようにできなかったり、その場でのヒアリングが難しかったりすることなどからエンゲージメントの獲得が困難で、主催者はただただ徒労感でいっぱいになるといった状況がよく聞かれます。
WEBにアクセスするだけで参加できる気軽さゆえに、興味が低い参加者の“ながら視聴”が発生してしまうという課題も見えてきました。開催ハードルが低いというメリットが、逆にデメリットにもなりうるということです。
大きな箱に人が集まること、新たな出会いがあること、それによる「盛り上がり」「高揚感」が失われ、総じて「以前のリアルイベントの方が良かった」という印象に繋がっているように思います。
一方で、場所やコストや時間などの制約からは解き放たれ、以前のオフラインイベントとは別の進化が垣間見えてきています。昨今は、リアルイベントとオンラインイベントのいわゆる「ハイブリッド」イベントも多くなってきました。ここで一旦、リアル vs オンラインという比較をやめ、オンラインイベントをマーケティング戦略全体における新しいメソッドと捉えてみます。
マーケティング戦略全体からオンラインイベントを再定義する
「マーケティングファネル※」の視点で考えてみたいと思います。(※マーケティングファネル:顧客が商品を認知してから購入・契約するまでの流れを図式化したもので、マーケティング戦略のひとつとして効果的な分析に役立つもの)
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今までのイベント(リアルイベント)は、その場での名刺交換などによって「購買に近いところ」まで一気に到達できるマーケティング施策でした。
これに対してオンラインイベントは、その手前にいる興味関心層とのミニマムなコミュニケーション手段に位置づけられると考えています。何回か続けて開催すれば、興味関心層を検討層に変えられる性質のものだというイメージです。さらに、その顧客に合わせたテーマを複数回開催していくことで、購買まで繋げていける手段になると考えています。
もう少し時間軸を進めると、2023年頃にはハイブリッドイベントと自社サイト、CRMなどが渾然一体となり、企業が自らの意思で一気通貫に顧客コミュニケーションを取れる領域が出てくると考えています。
今後のマーケティングでは興味関心層や検討層といった見込み顧客のID情報を蓄積することがとても重要になりますが、オンラインイベントをそのための施策として再定義し、マーケティングの中核、ターゲティングメディアのひとつと捉えることができるからです。
今、この領域でやるべきこと:見込み客を含めた顧客のID情報を取得し、それをどう活用するか
ここ数年、プライバシー規制強化の動きやCookieの排除など、これまでアドテクノロジーで活用していたさまざまな価値が通用しなくなっていく動きにあります。その状況も鑑みても「いかに顧客IDを采配するか」をオンラインイベントでも考えていければいいと考えます。
現在は、マーケティング活動が顧客ID中心にシフトする中での序章です。来年度中にはオンラインイベントによる見込み客獲得施策のノウハウが蓄積され、将来的にはハイブリッドイベント&IDマーケティングという渾然一体となった「異種格闘技戦」的なアプローチが主流になるでしょう。
これからの課題は、量と質、両方を向上させていく工夫
そのためには、いかに効率的に回数をこなすか、リーチ数を増やすか、関与度を高めるか、見込み客にアプローチするかといったさまざまな要素があります。大きく分けると「量」と「質」の2つの要素です。
「量」とはイベントの開催数や参加者の直接的な関与度を上げていくことで、例えば動画の活用、シリーズ性をもたせる、魅力的なゲストを迎えるといった手法の工夫や企画力を指します。
「質」とは、インタラクションや相互コミュニケーションの機会、コミュニティをどう形成していくかです。具体的には、参加者へのフォローアップ、立て付け(プログラム)の工夫、仕掛け、イベントデータをビジネスに活かすための設計などが挙げられます。
イベントデータとは、評価レポートやアンケート、各参加者の属性やイベント内の行動履歴などの分析結果など、イベントの開催を通して得られる参加者のデータです。CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)やMA(マーケティングオートメーション)との連携によって、効果的なマーケティング戦略に繋がっていきます。
これからは、カスタマーサクセス理論でいうところのテックタッチ※の顧客層が特に増えていくと思われます。テックタッチとは、大口顧客への手厚い個別対応などとは対照的に、テクノロジーのみの接点によって広範囲へのアプローチを目指す営業手法です。当然ながらイベント来場者のファーストパーティーデータがとても重要となるため、まずはとにかくデータを保管していくことが求められるでしょう。
(※顧客ごとに想定されるLife Time Valueに応じてハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの3層に分け、それぞれにかける人的コスト・工数・費用に線引きをする考え方。既存顧客の全体を正三角形で表したとき、3つの層に分けて上からそれぞれ、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチと区分する)
こうした可能性が広がる一方で、オンラインコミュニケーションの今後の課題としては、顧客との信頼関係を築きづらくなること挙げられます。1回のオンラインイベントで顧客との信頼関係は生まれませんし、信頼関係が生まれなければ、新しい取り組みやソリューションのアイデアも生まれにくいでしょう。では、どうすればいいのでしょうか。
私からの提案は、普段のオンラインミーティングやオンラインコミュニケーションの質そのものを上げていきませんか、ということです。そのための方法はとてもシンプルで、思いやりとフォロワーシップが鍵となります。こういったことは、今からみんなで意識してやらないと変わっていきません。
例えば参加者の立場であれば、「いいね」や「ハート」を送る、発言する、ビデオをオフにしない、音声をオフにしないといった、自らオンラインコミュニケーションに参加していく姿勢の習慣づけが重要です。画面上で頷くとか、チャットでコメントをするとか、お互いのコメントに反応して「笑う」といったことも、難しいけれど有効です。
また、これは主催者・参加者の双方にいえますが、物理的な環境に気を使うことも効果的でしょう。
室内の照明、安定したオンライン回線の確保、音声の品質確認、また背景や画面に映る姿にも気をつけていくことが重要です。これは、対面のコミュニケーションにおける身だしなみや仕草、メイクなどへの配慮が意味をもつのと同じ考えです。
リアルの世界に比べれば、オンラインコミュニケーションの世界が疲れるのは当然です。その前提で、せっかく主催 / 参加するならば、空間や時間、予算からも解き放たれた新しいイベントとして考え方を再定義しましょう。効率よく、かつ丁寧に運営する。データもきちんと活用する。そして人への思いやりと信頼を、テクノロジーの力を借りて取り戻しましょう。
まとめ:イベントテック1.0の世界とは
- 空間や時間、予算の制約から解き放たれた「イベント」に対する考え方を一新する
- 効率よく丁寧に運営する、データもうまく使う
- 目前に迫るマーケティング変革(顧客ID争奪戦)に備えて準備する
そして、最近めっきり伝わりにくくなった人への思いやりと信頼を、テクノロジーの力を借りて取り戻すための継続的な企業活動として、オンラインイベントを活用していきましょう。
「イベントDXソリューション 『Eventory』のご紹介」株式会社インディヴィジョン
Head of Eventory Japan 片岡 郁美 氏
最後に、株式会社インディヴィジョンの片岡より「イベントDXソリューション 『Eventory』」の特徴をご紹介しました。ご紹介資料
イベントDXとは Eventoryが可能にするのはどんなこと?
「Eventory」は、ヨーロッパを中心に多数の企業が導入している、オールインワンイベント運営プラットフォームです。
最低限のリソースでイベントの準備、開催、フォローのPDCAサイクルを回すことができ、さらにCRM機能によって、営業リードの獲得からフォローまでをワンストップで対応できます。
また、参加者をID単位で中長期的にマネジメントし、行動データの蓄積と活用により長期的な顧客エンゲージメントの向上を実現します。Zoomなどの外部ツールに頼らず、GDPR(EU一般データ保護規則)準拠の高セキュリティ環境で、完全独立自動配信も可能です。
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- イベント開始前には
プライバシー設定や属性設定、メーラーを搭載しており、招待や事前コミュニケーション、協賛企業の告知や展示ブースの案内も可能です。
- イベント開始時には
チェックイン、出席管理、リマインダーや、顧客同士のエンゲージメント機能、商談チャット、リアルイベントでのQRコードを使った会場回遊誘導、動画リンク、バーチャルブース、LIVE質疑応答や投票など、参加者が飽きない多彩な機能を用意し、ネットワーキングを促進します。
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- イベント終了後も
オンデマンド配信やサンキューメールなどのアフターフォロー、参加者のアクティビティデータ取得と分析(出席状況や回遊行動履歴の把握:統計管理が可能)、CRM・MAツールとの連携、各リードデータ取得の他、アンケートや投票機能などを活用すると、イベント期間外でのコミュニケーションやリード獲得も可能です。
アクティビティデータ分析は、アンケートや投票、質疑応答などのアクティビティをポイントとして蓄積したり、過去のイベントも含めた参加状況を把握したりすることによって、興味の度合いが高い積極参加者を抽出できます。
Eventoryは、シンプルな料金体系のサブスクリプションサービスです。すべての機能がオールインワンとなっているため、煩雑なオプションを取捨選択する必要はなく、低コストで運営開始が可能です。
欧州CDPRに準拠しており、高セキュリティ水準が求められるイベントはもちろんのこと、研修やミーティングなどの社内ユース、マーケティング、人事採用といった目的別に、安全にご利用いただけます。
オンラインイベント運営に関心を持たれている方、現在の運営環境に課題を感じている方は、お気軽にご相談ください。
<日本事業(Eventory Japan)について>
事業会社:株式会社インディヴィジョン
代 表 者:代表取締役社長 花崎 茂晴
所 在 地:106-0047 東京都港区南麻布3丁目-20-1, Daiwa麻布テラス 5F
設立:2020年4月13日
URL:https://www.indivision.io/
<Eventory (イベントリー) 日本版とは>
Eventory (イベントリー) は、オンライン・オフラインを問わず、イベントの企画・開催・分析とフォローアップ(CRM)を一つのプラットフォームで管理できる「Attendee Engagement Platform (AEP) 」としてサブスクリプション型で提供、ヨーロッパ各国で多くの企業、イベント主催者に利用されています。参加者とのリアルタイムかつ双方向なコミュニケーションをとりながらイベントを開催し、イベント終了後きめ細かいフォローアップをすることが可能な、参加者のエンゲージメントを高めるクラウドサービスです。
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Eventory (イベントリー) 日本版は、日本語ローカライズだけでなく、日本のイベント運営者、管理者が抱える課題を解決するためのオリジナルの機能を搭載。オプション設定なし、サブスクリプションモデルですべての機能を利用可能、発券手数料無料(決済事業者手数料別)でコストをかけず有料イベントを運営することが可能です。
また、高セキュリティ基準、欧州GDPR(EU一般データ保護規則)準拠の厳格な個人情報保護のセキュリティ基準をクリアし、社内研修や採用面接、株主総会などにも安心して活用いただけます。
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